先日、西行が修行したという吉野(修験道の有名な場所)の奥千本にある西行庵(出家の間もない頃)を訪れた。今日、大阪の南東部、 河南町にある弘川寺を訪れた。この弘川寺で西行は没して、墓がある(72歳)。
西行は名門の武家出身で、鳥羽院の北面の武士としても奉仕していた。妻子と別れて仏道に23歳で出家。その出家の理由が、友人の急死にあって無常を感じたという説、白河院の愛妾にして鳥羽院の中宮との失恋説、皇位継承をめぐる政争、仏に救済を求める心の強まりなど、とある。 出家すべきほど俗人であるsixjumpが、それらの理由を読むと、どうも釈然としない。そこでsixjumpの俗人的解釈をしてみた(根拠は全くない)。 名門の出の武士で、歌に才能のあった佐藤義清(本名)は、院直属の官位があった精鋭部隊「北面の武士」に選ばれている。この北面の武士は、名門の出身、文武に優れているということ、そして容姿端麗が条件であったらしい。警護だけでなく、流鏑馬、蹴鞠、そして歌会など天皇に近い生活範囲に、深く関わっていたといえる。その中で、政争に巻き込まれたという可能性も指摘されるが、若い20歳程度の警備員では考えにくい。友人の死で無常観を感じたというのも、無限の可能性をもつ若人でエリート武士では考えにくい。貧困飢餓病気なら仏による救済を求める心の強まりというのも想像がつくがエリート武士では同様に考えにくい。 ということで、イケメン、エリート、歌というキーワードから、白河院の愛妾との「あこぎ」問題の発覚のための事後処理での出家というのが可能性が極めて高いと想像してしまう。出家は、武士が何らかの失敗による危険からのシェルター的役割(坊主の首を刎ねることは出来ないシステム)を果たしていたことから、愛妾とのスキャンダルから首を刎ねられる前に出家した可能性、または誰かが間に入ってくれて出家というところで話をまとめてくれた可能性が高いと解釈した。 数ある西行の歌の中から、上記と矛盾しない歌を作為的に選択 ”鈴鹿山浮き世をよそに振り捨てて いかになりゆくわが身なるらむ” 旅の途中で鈴鹿越えしているとき、ふと、浮き世を振り捨てているが、これから私はどうなっていくのだろうと頭をよぎった ”世の中を捨てて捨てえぬ心地して 都はなれぬ我が身なりけり” 世の中を捨ててしまったが、捨て得ぬ気持ちがよぎる、華やかであった都(だけでなく若い頃の輝かしい頃)が恋しい気持ちが離れない ---- 紅葉の木々を何も考えず撮影することは久しぶり。西行の墓の近くの木々。
by sixjump
| 2009-11-22 19:38
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Comments(4)
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pretty-bacchus at 2009-11-22 22:24
なんと緻密な美しい紅葉でしょう!
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sixjump at 2009-11-23 07:43
pretty-bacchusさん、お早うございます。お久しぶりです。この弘川寺は、葛城山の麓にあり里寺としては比較的大きな寺で西国33ヶ所の一つでもあります。西行の時代には裕福な寺であったと想像できます。寺にあった由緒書きには西行が頼ってきたとも書いてありました。西行が京都には遠くない大阪の南東部を終焉の地としたことに、彼の思いを想像させてくれます。
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sixjump at 2009-11-23 07:50
mrgonnさん、お早うございます。弘川寺には初めて訪問いたしました。西行につられて訪問しました。裏山に西行の墓があるのですが、その塚は大きく、西行は居候として丁寧にされていたようです。
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