清水(しょうず)の桜

海津の北はずれの墓地の中に樹齢300年以上といわれる巨桜「清水の桜(しょうずのさくら)」がある。この桜は非常に大きなアズマヒガンザクラで、滋賀県自然記念物になっている。
 この桜の裏手には現在の161西近江路が通っており、この道は、その昔、海津と敦賀津を結ぶ物流道として、北国北陸からの物資を京や大阪に運ぶ「七里半越」と呼ばれる山越えの道であった。その道のマキノ追坂峠道の近くにある、この桜は、多くの荷駄や人々が多く往来していた物流道を見守り、それらの栄枯を見ていたのではないだろうか。
 清水の桜は、村の集合墓地の中に植えられ、その幹周りには、多くの軍人の墓が立っている。この墓にお参りする村人により手入れされ、そしては人々の暮らしとともに美しい桜花を毎年、何事もなかったように規則正しく同じ頃に春の盛りを、そして初夏の訪れを知らせてくれているようだ。そして、今、この桜は水上勉の小説『櫻守』でその題材となったことが有名である。
 このような場所を撮影するときに心霊写真を撮影するのではないかとおびえるsixjump(今までに何回となく心霊写真を撮影してしまっており、背中に違和感をうけることが多い)だが、この集合墓は昇華しているようで満足した魂を感じ、安心して撮影出来た。

清水(しょうず)の桜_c0022089_2157855.jpg

by sixjump | 2011-04-18 21:57 | Trackback | Comments(3)
Commented by pretty-bacchus at 2011-04-21 23:01
いや〜〜〜すごい!
夜の墓の桜をこんなふうに艶やかに撮るとは!
テクニックをうかがいたいです〜〜〜

Commented by sixjump at 2011-04-21 23:23
今晩は。テクニックという訳ではないのですが、この撮影の条件は以下の通りです。
カメラはD3s
レンズはAF-S 24-120mmf4 VR (VRはon)
フラッシュ使用(最大限に明るくしました)
24mm、f=7.1、1/10秒、ISO=3200、
三脚は使用していません。
三脚を使用するなら、VRをoffにして、ISOを低くして、露光時間を長くすると空の色をもっと鮮やかにすることが出来ます。
Commented by pretty-bacchus at 2011-04-22 23:51
3200でかつフラッシュは最大という事はしたことがありませんでした。
ありがとうございました。

名前
URL
削除用パスワード
<< 湖西線 吉野 >>